契約書に注意が必要なわけは?
身内や友人、知人間で交わされる契約書の場合には、それほど難しい内容や文言が記載されることはないと思いますが、金融機関との契約の場合には注意が必要になります。
というのは、借主や保証人にとってあまりにも不利な事項がある場合には、交渉して削除しなければならないからです。
とはいえ、貸し側の立場の方が圧倒的に強いですから、借りる立場としては交渉は難しいものですが、最低限その内容は把握しておく必要があります。
具体的にはどのようなところに注意したらよいのでしょうか?
貸金業者の契約書の記載事項というのは、貸金業法に規定されていますが、一般には次のような条項からなっており、それぞれ注意が必要です。
■契約条項を確認の上金銭を受領したこと
⇒ 実際に受け渡された金額のみが借金の額になりますので、天引きの有無を確認します。
■融資額、返済金額、返済回数、返済日、返済方法
■利息および利率、支払金の充当方法
⇒ 完済までに利息がどれだけ付くかあらかじめ計算しておく必要があります。また、利息制限法や出資法に違反していないかどうかの確認も必要です。
■期限の利益喪失条項
⇒ 期限の利益というのは、期日までは返済を求められることはないという利益のことです。どのような場合に借主が期限の利益を失い、直ちに全額返済を請求されることになるのかということを確認しておく必要があります。
■遅延損害金
⇒ 利息制限法に遅延損害金(賠償額の予定)の制限が規定されています。
■一定の事項の報告義務
⇒ 借主が報告を怠った場合には、どのような不利益を受けることになるのかということを確認しておきましょう。
■保証人がいる場合の保証の内容など
■債権譲渡の承諾
⇒ 借主に対する債権が譲渡されることについての承諾です。債権が譲渡されると、譲受人が新たな債権者となり、取り立てることになります。
■合意による裁判管轄
⇒ トラブルが起きた場合の裁判をどこの裁判所で行うのかということです。貸主が自分の都合のよい裁判所にしているケースが多いようですが、可能な限り自分にとって便利な裁判所にしておきたいところです。 |