みなし弁済規定の要件を満たしたことになりますか?
貸金業者がみなし弁済規定の適用を受けるには、貸付けにかかる契約書面(金銭消費貸借契約書)と受取証書(返済金を受け取ったことを記載した領収書)を借主に渡さなければなりません。
では、現金自動貸付返済機(ATM)に返済金を入金し、操作の終了時に排出される「ご利用明細書(領収書)」を受け取った場合は、上記のみなし弁済規定の要件を満たしたことになるのでしょうか?
これについては、ATMへの入金後排出される明細書に、利息や元本への充当額が記載されていたとしても、入金前にそれぞれの額を知ることができないのでは、借主が「任意に」利息制限法を超える利息を支払ったことにはならないとして、「みなし弁済」の適用を否認した判決があります(東京地判平9.2.21)。
ちなみに、みなし弁済規定が適用されないのを知りながら、利息制限法超過分の利息を受け取ったのは、悪意の受益者に当たるとして、超過部分の利息の返還を命じた判決もあります。
悪意の受益者とは?
悪意の受益者というのは、法律上、何の権利も原因もないことを知りながら、他人の財産や労務によって利得を受けた者のことをいいます。
※みなし弁済は、平成21年末までに廃止されます。 |